税務インボイス制度消費税

インボイス制度後の消費税実務で気をつけたいポイント

インボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まって以降も、実務ではつまずきやすいポイントが残っています。経過措置の期限、登録番号の確認、少額取引の扱いなど、日々の経理で押さえておきたい点を整理します。

2026.07.01 更新 読了時間:約6分
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この記事でわかること
  • 免税事業者からの仕入れに関する経過措置と期限
  • 受け取った請求書で確認すべき項目
  • 少額特例・少額な返還インボイスの扱い
  • 取引先との関係で気をつけたいこと

01経過措置は「段階的に縮小」する

インボイス制度では、原則として登録事業者が発行した適格請求書がないと、支払った消費税を仕入税額控除できません。ただし、免税事業者など登録のない相手からの仕入れについては、激変緩和のための経過措置が設けられています。

期間控除できる割合
2023年10月〜2026年9月仕入税額相当額の80%
2026年10月〜2029年9月仕入税額相当額の50%
2029年10月以降控除不可(原則)
注意ポイント
2026年10月から控除割合が80%→50%に下がります。免税事業者との取引が多い場合、この切り替えでコストが増える可能性があるため、事前に影響額を試算しておきましょう。

02受け取った請求書で確認すべき項目

仕入税額控除を受けるには、受け取った請求書が適格請求書の要件を満たしている必要があります。次の項目が記載されているか確認しましょう。

  • 発行者の氏名・名称と登録番号(Tから始まる13桁)
  • 取引年月日
  • 取引内容(軽減税率対象ならその旨)
  • 税率ごとに区分した対価の額と適用税率
  • 税率ごとに区分した消費税額
  • 交付を受ける事業者の氏名・名称
ポイント
登録番号は国税庁「適格請求書発行事業者公表サイト」で有効性を確認できます。新規取引先や高額取引では、番号が実在するか一度チェックしておくと安心です。

03少額特例と実務の効率化

一定規模以下の事業者は、税込1万円未満の課税仕入れについて、インボイスの保存がなくても帳簿の保存だけで仕入税額控除ができる「少額特例」が使えます(適用期間に注意)。少額の経費が多い事業では、実務負担を大きく減らせます。

また、返品や値引きの際に発行する「適格返還請求書」も、税込1万円未満であれば交付義務が免除されます。こうした特例を正しく使うことで、経理の手間を抑えられます。

04取引先との関係で気をつけたいこと

免税事業者に対して、一方的に取引価格の引き下げを求めたり、取引を打ち切ったりすると、独占禁止法・下請法上の問題になる場合があります。価格交渉は双方が納得できる形で、丁寧に進めることが重要です。

まとめ

2026年10月から経過措置の控除割合が80%→50%に下がります。免税事業者との取引がある場合は影響額の試算を。

受け取った請求書は登録番号を含む記載要件を満たしているか確認しましょう。

少額特例などを活用して実務を効率化しつつ、取引先との価格交渉は法令に配慮して進めることが大切です。

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