AI・DX電子帳簿保存法経理

電子帳簿保存法とDX — 電子取引データ保存の実務対応

メールで受け取った請求書やネット通販の領収書——こうした「電子取引」のデータは、電子帳簿保存法に沿って保存することが義務化されています。「難しそう」「うちは対応できているのか不安」という方に向けて、ルールと具体的な対応手順を、やさしく整理します。

2026.06.20 更新 読了時間:約7分
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この記事でわかること
  • 電子帳簿保存法の3つの区分(義務なのはどれ?)
  • 「電子取引」に該当するものの具体例
  • 満たすべき2つの要件(真実性・可視性)
  • 中小企業がすぐできる実務対応の手順

01電子帳簿保存法の3つの区分

電子帳簿保存法は、帳簿・書類を電子的に保存するためのルールを定めた法律です。大きく3つの区分があり、対応の要否が異なります。まず「どれが義務なのか」を押さえましょう。

区分内容対応
① 電子帳簿等保存会計ソフトで作った帳簿等をデータ保存任意
② スキャナ保存紙の請求書等をスキャンして保存任意
③ 電子取引データ保存メール等で受け取ったデータを保存義務
ポイント
3区分のうち、任意なのは①と②。③「電子取引データ保存」だけが義務です。まずはここへの対応を最優先にしましょう。

02「電子取引」に該当するものの具体例

「電子取引」とは、請求書・領収書・注文書などのやり取りを電子的に行ったものを指します。次のようなものが該当します。

  • メールに添付されて届いた請求書・領収書(PDFなど)
  • ネット通販の購入履歴・領収書(Web画面からダウンロードするもの)
  • クレジットカードや決済アプリの利用明細(電子で受領するもの)
  • クラウドサービスやEDIでやり取りした取引データ
注意ポイント
「電子で受け取ったものを紙に印刷して保管すればいい」という認識は誤りです。電子で受け取ったものは、電子データのまま、要件に沿って保存するのが原則です。ここを勘違いしている事業者が少なくありません。

03満たすべき2つの要件

電子取引データの保存には、大きく「真実性の確保」と「可視性の確保」という2つの要件があります。

要件意味満たす方法の例
真実性改ざんされていないことタイムスタンプ、訂正削除の記録が残るシステム、事務処理規程の整備
可視性すぐ探し出せること日付・金額・取引先で検索できるようにする

中小企業では、対応したクラウドサービスを使うか、社内で「事務処理規程」を整えることで、比較的シンプルに要件を満たせます。

04中小企業がすぐできる実務対応の手順

  1. 電子取引で受け取る書類を洗い出す(メール、Web、決済アプリ、EDIなど)
  2. 保存場所とファイル名のルールを決める(例:「日付_取引先名_金額」)
  3. 検索できる仕組みを整える(会計ソフト・専用の書類保存サービスの活用)
  4. 改ざん防止のための「事務処理規程」を整備する(ひな型が公表されています)
  5. 担当者間でルールを共有し、運用を続ける
ポイント
クラウド会計ソフトや専用の書類保存サービスを使えば、検索要件や改ざん防止を自動的に満たせるものが多く、手間を大きく減らせます。手作業のフォルダ管理で頑張るより、ツールに任せるのが現実的です。

自社に合った保存の仕組みづくりや、クラウド会計との連携については、アクアマリンコンサルティンググループにご相談ください。無理のない形で、確実な対応をご提案します。

まとめ

電子帳簿保存法の3区分のうち、義務なのは「③電子取引データ保存」だけ。まずここを最優先に。

メール添付やWeb上で受け取った請求書・領収書は、印刷ではなくデータのまま保存するのが原則です。

「真実性(改ざん防止)」と「可視性(検索)」の2要件を満たす仕組みを整えましょう。

クラウドツールを使えば要件を自動で満たせるものが多く、手作業より現実的です。相談も承ります。

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