遺産分割トラブルは年1.5万件超 — 不動産が争いのもとになる理由
「うちは財産が少ないから相続で揉めることはない」——実は、遺産分割のトラブルは決して資産家だけの問題ではありません。司法統計から見える実態と、不動産が争いのもとになりやすい理由、今からできる備えを解説します。
この記事でわかること
- 遺産分割トラブルの件数と実態
- 不動産が争いのもとになりやすい理由
- 「分けにくい財産」への3つの対処法
- 争いを防ぐために今からできること

01遺産分割トラブルの実態
家庭裁判所で扱われる遺産分割事件は、年間15,000件を超えています。そして注目すべきは、その多くが「多額の資産」をめぐる争いではないという点です。遺産の総額が数千万円以下のケースが相当な割合を占めています。
注意ポイント
「財産が少ないから大丈夫」は油断のもとです。むしろ、財産の大半が自宅などの不動産で現金が少ないほど、公平に分けにくく揉めやすい傾向があります。
02不動産が争いのもとになりやすい理由
不動産は、預貯金のように「きれいに人数で割る」ことが難しい財産です。次のような特徴が、争いを生みやすくします。
- 物理的に分割しにくい(自宅を半分にはできない)
- 評価額の考え方が複数あり、いくらとみなすかで揉める
- 売却するか、住み続けるかで意見が分かれる
- 共有名義にすると、その後の売却や活用で再び揉める
03「分けにくい財産」への3つの対処法
| 方法 | 内容 | 留意点 |
|---|---|---|
| 代償分割 | 不動産を1人が取得し、他の相続人に金銭を支払う | 取得者に支払い資金が必要 |
| 換価分割 | 売却して現金化し、分ける | 売却の手間・譲渡税がかかる場合がある |
| 現物分割 | そのまま各自が取得する | 不動産は分けにくく共有になりがち |
ポイント
代償分割で支払う資金の準備に、生命保険が役立つことがあります。受取人を指定した生命保険金は原則としてその人の固有の財産となり、代償金の原資として活用しやすいためです。
04争いを防ぐために今からできること
- 遺言書を作成し、誰が何を相続するかを明確にしておく
- 不動産の評価や分け方の方針を、家族で早めに話し合う
- 代償分割の資金として生命保険を検討する
- 専門家を交えて、税金も含めた分割案をシミュレーションする
相続は「争族」にもなり得ますが、生前の準備で多くのトラブルは防げます。不動産をお持ちの方は、早めの対策をおすすめします。
まとめ
遺産分割トラブルは年間15,000件超で、財産が少ない家庭でも起こります。
分けにくい不動産が中心の相続ほど、公平に分けづらく揉めやすい傾向があります。
代償分割・換価分割などの選択肢を知り、遺言や生命保険で早めに備えることが有効です。
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本記事は掲載時点の情報に基づいて作成しています。制度の内容は今後変更される場合があります。個別のご判断にあたっては、必ず専門家にご相談ください。


